お問い合わせ

Cat 建機 研究所

建設機械に関してのお役立ち情報をご提供しています。

建機活用術

2016年12月12日

コスト低減への道:突発故障の回避によるコスト低減編

前回は、燃料費と定期点検/メンテナンス/修理費などの機械運転経費を低減するためのポイントをご紹介しました。
今回は「突発故障の回避によるコスト低減」と題して、突発故障の原因や対応策をご紹介します。

なぜ突発故障を回避しなければならないのか

前回の記事で、油圧ショベルの突発故障修理費は機械運転経費全体の3%に過ぎないことをご紹介しました。それなら気にする必要がないのではないか、と感じるかもしれませんが、実は突発故障には落とし穴があります。

なぜ突発故障を回避しなければならないのか

表は330Dのエンジン修理費を故障前と故障後で試算した例です。

お客様の予定に合わせて計画的に修理ができる故障前の修理は、オーバーホールや摩耗した部品の交換を行い、1時間あたりのコストが180円で現場停止日はゼロ。それに対し故障後の修理では、新品のエンジンを取り寄せて交換し、1時間あたりのコストは245円で3日間の現場停止が発生します。また、修理費用も故障前と後では約1.5倍の差があります。

突発故障修理費は機械運転経費全体に占める割合が少ないものの、作業工程の遅延や現場活動の停止などお金と時間の損失が発生するので、その影響は大きいといえます。

なぜ突発故障を回避しなければならないのか

機械から発信される悲鳴に耳を傾けましょう!

機械から発信される悲鳴に耳を傾けましょう!世界中のキャタピラーディーラーで、お客様の現場で発生した修理を対象に故障前修理と故障後修理の割合を調査しました。
この結果、約8割にも上る修理が故障後の対応であったことがわかりました。

さらにこの8割の故障後修理のうち、90%もの事例において異常音、オイル漏れ、燃料消費量の変化などの兆候があり、予測が可能だったことがわかりました。

機械から発信される悲鳴に耳を傾けましょう!

突発故障回避のためのポイント

突発故障を回避し、コストを低減するためのポイントは以下の2つです。

早期発見

お客様自身で行っていただけること
・日常点検/定期点検/記録
・五感を使って機械の異常に耳を傾ける


点検は機械の異常を発見する絶好のチャンスです。現場環境や作業内容、燃料消費量などは継続して記録を残してください。これにより、ゆっくりとした変化が生じていたとしても発見することができます。
また、五感を使って異常を感じ取ることも不具合の早期発見には有効な手立てです。マフラから黒い煙が出ていないか?旋回時に変な音がしないか?など、表を参考に今一度ご自身の車両を確認してみましょう。

お客様自身で行っていただけること

CATのサポート
機械の不具合を早期に発見するため、さらに詳細な点検や診断プログラムをご用意しています。機械を生涯現役で使用するための健康診断、これを機に一度検査してみてはいかがでしょうか。
SOS(オイル分析)についてはこちら

CATのサポート

早期対処

・修理方法の選択(修理、オーバーホール、補強など)
・部品の選択(表参照)

機械の異常に気づいたら、修理方法と使用する部品を決定します。

キャタピラーでは、車両の整備のためにCAT純正部品/REMAN・PES(古くなった部品を、修理・部品交換することで、新品のようによみがえらせた製品)/クラシックパーツ/中古部品といった選択肢をご用意しています。お客様の計画や現場に合わせて、整備時期と方法をご提案します。

目に見えない機械運転経費がかかる突発故障。
"工期や予算が厳しい工事が多い中、建機の突発故障は避けたい"、"ウチは林業専用機なのですぐに代替が見つからない"、
"今は遊ばせている機械がないから、故障の場合はレンタル。余計な出費が..."。
そうならないためにも、日々の点検や運転を通して不具合の兆候を早期に発見し、対処することでコスト低減を図りましょう。

早期対処

さらなるコスト低減への道
~クラシックパーツのご紹介~

車両の手入れの必要性はわかっていても、「現在保有している車両が古く、修理費も掛けたくない」という方も少なくないでしょう。そこで、旧型モデル向けに「クラシックパーツ」という商品を発売しました。中型油圧ショベル(320~320Cなど)や小・中型ブルドーザ(D6~ D6Hなど)の足回り部品が対象です。今後お客様のニーズに合わせて順次追加していく予定です。

CATのサポート

製品の買い替え、点検・修理など、お気軽にお問い合わせください!

部品・修理に関して

建機活用術 記事一覧

建機活用術

ラジエータのメンテナンスについて

2017年2月23日

建機活用術

エアクリーナのメンテナンスについて

2017年2月23日

建機活用術

日常点検について

2017年2月23日

建機活用術

建設機械の冷却水管理について

2017年1月16日

建機活用術

コスト低減への道:消耗部品のコスト低減編

2016年12月12日

建機活用術

コスト低減への道:突発故障の回避によるコスト低減編

2016年12月12日

建機活用術

コスト低減への道:運転経費編

2016年12月12日

建機活用術

コスト低減への道:足回り部品のコスト低減編

2016年12月12日

建機活用術

建機寿命延長のポイント:オイル清浄度管理編

2016年9月14日

建機活用術

建機寿命延長のポイント:油圧コンポーネント編

2016年9月14日

建機活用術

建機寿命延長のポイント: エンジン編

2016年9月14日

建機活用術

建機寿命延長のポイント: 燃料システム編

2016年9月14日

建機活用術

排出ガス規制対応ディーゼルエンジン

2016年6月30日

建機活用術

メンテナンスの重要性とメンテナンスキット

2016年6月30日

建機活用術

冬場のクーラントとバッテリの管理について

2016年6月30日

建機活用術

機械性能を活かすオペレーション

2016年1月19日

建機活用術

修理・買換え時期の決定

2015年8月 4日

建機活用術

キャタピラーのサービストレーニングについて

2015年8月 4日

あわせて読みたい