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2017年11月 7日

ガス溶接の話

今では夜店や屋台の灯りは電球ですが昔はカーバイドに水を加えてアセチレンガスを発生させたアセチレンランプが使われていました。今回はそのアセチレンガスと酸素を利用したガス溶接についてです。

ガス溶接は、一般に「ロウ付け」と呼ばれている溶接方法です。ロウ付けは接合する部品と部品のすき間に、部品の金属より低い融点の金属ロウを溶かして流し込み、接合します。気体や液体の漏れを止めることができるので、エアコンなどの配管部品や航空機のタービンブレードといった精密部品の製作などに用いられています。

ガス溶接では、通常アセチレンガスと酸素という可燃性ガスを使用します。そのため爆発や火災の危険性が高く、ガスの特性を十分に理解して取り扱わなければなりません。労働安全衛生法でも就業制限業務に指定されており、技能講習修了者でないとガス溶接作業を行うことはできません。

「ウチはガスで鉄筋の切断しかやっていないから関係ないなぁ」と思ったあなた、ちょっと待ってください。ガスによる金属切断や加熱作業もガス溶接と同様、技能講習修了者でないと作業に就くことはできませんのでご注意ください。

過去の災害事例では、溶接作業よりむしろ切断作業の最中に多くの災害が発生しています。たとえば、ガソリンスタンドの解体作業現場で、前日にガソリンタンクの内部を換気したから大丈夫だと思い込み、翌日、内部のガス濃度を確認せずにタンクの切断作業を行ったため、タンクが爆発して作業員が大怪我を負う災害が起きました。

また、屋内でガス切断作業をしているときに、近くで塗装作業も行っており、十分な換気をしていなかったため、ガス切断のスパッタ(火花)が塗装作業場所まで飛んで火災が発生し、塗装作業員がやけどを負うという事故もありました。ガス切断のスパッタは、思いのほか遠くまで飛散します。このことを知っていれば、塗装作業場所の近くでガス切断はしなかったでしょう。

ガス溶接の話

ガス溶接に使用するアセチレンガスによる事故もあります。 前日の夜からガスボンベをワゴン車に積み込んでおき、朝出かけようとワゴン車のエンジンをかけたところ、漏れていたアセチレンガスが爆発して作業員が死亡するという事故がありました。車などの密室では、ガス検知器でガス漏れがないことを確認してから作業を行うようにしましょう。

また、アセチレンガスは非常に不安定で空気や酸素がなくても、ちょっとした衝撃によって分解爆発します。 アセチレンガスと酸素のボンベを運搬するときには倒したり、落としたり、引きずったりせず、通風や換気の良い場所に保管するよう、取り扱いには十分注意が必要です。ちょっとの間でもガスを使用しないときには必ず容器弁を閉めて、漏れがないか確認することが必要です。

取り扱いに注意を要するガスボンベは、間違って接続することがないようボンベが色分け塗装され、ガスの種類をすぐに識別できるようになっています。また、ボンベに取り付ける圧力調整器も、アセチレンガスと酸素では種類が異なるので、調整器本体が色分け塗装され、接続の間違いを防止しています。

ガス溶接の話

ガス溶接や切断作業を行う場合には、革手袋や革前掛け、腕カバーなどの保護具と防護マスクを必ず着用しなければなりません。屋外作業ではつい着用を忘れがちですが、ちょっとした油断が災害の原因になります。

ガス溶接の話

労働災害を起こさないためにも、ガス溶接技能講習を受講し、ガス溶接作業者として正しい知識で作業を行いましょう。

ガス溶接技能講習について

キャタピラー教習所では、ガス溶接の技能講習を定期的に実施しています。

ガス溶接の話

この技能講習では、ガスの特性や器具の取り扱いなど正しい作業方法や、作業環境についても学びます。学科と実技を通してガス溶接作業者として災害を起こすことなく安全に作業を実施するために知っておかなければならないことを2日間の教育で習得できます。ぜひ、お近くのキャタピラー教習所までお問い合わせください。

キャタピラー教習所では、現場で必要な様々な免許・資格取得をお手伝いしております。

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