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2017年8月 3日

ロープ高所作業の話

ビルの外装清掃や法面保護工事などで行われる「ロープ高所作業」での災害発生を防止するため、労働安全衛生規則が改正され、平成28年7月1日より作業者には特別教育の受講が義務化されました。
今回は、新たに定められた規定の内容を紹介いたします。

「ロープ高所作業」とは、高さ2m以上の場所で作業床を設けることが困難な場合に、昇降器具(ロープに身体を保持する器具を取り付けたもので、作業者が自らの操作により昇降する)を用いて行う作業を指します。ビルや橋梁のメンテナンス、法面保護工事などのロープ高所作業の現場では、命綱であるロープが切れたり、結び目がほどけたりして墜落する事故がこれまで多発していました。そこで、厚生労働省では、ロープ高所作業の危険防止に関わる規定を新設するなど労働安全衛生規則の改正を行い(平成28年1月1日施行)、また7月1日から、ロープ高所作業に就く労働者には「ロープ高所作業特別教育」の受講を義務付けています。

ロープ高所作業の話

では、ロープ高所作業における労働災害を防止するために、どのような規定が加えられたのでしょうか。まず、ロープ高所作業を行うときには、身体保持器具を取り付けた「メインロープ」以外に、安全帯を取り付けるための「ライフライン」の設置が必要になりました。また、メインロープの強度等に関しても以下のような規定が設けられています。

メインロープ等の強度等に関する規定

(1) メインロープ等は、十分な強度があり、著しい損傷、摩耗、変形や腐食がないものを使用する必要があります。

※メインロープ等とは、メインロープ、ライフライン、これらを支持物に緊結するための緊結具、身体保持器具とこれをメインロープに取り付けるための接続器具のこと

(2) メインロープ、ライフライン、身体保持器具については次の措置を取る必要があります。

メインロープ等の強度等に関する規定● メインロープとライフラインは、作業箇所の上方のそれぞれ異なる堅固な支持物に、外れないように確実に緊結する
● メインロープとライフラインは、ロープ高所作業に従事する作業者が安全に昇降するために十分な長さとする
● 突起物などでメインロープやライフラインが切断するおそれのある箇所では、覆いを設けるなど切断を防止するための措置を取る
● 身体保持器具は、接続器具を用いて確実に取り付ける。なお、接続器具は、使用するメインロープに適合したものを用いる必要がある

さらに、墜落や物体の落下による作業者の危険を防止するため、作業を行う場所について、
①作業箇所とその下方の状況
②メインロープとライフラインを緊結するためのそれぞれの支持物の位置、状態、それらの周囲の状況
③作業箇所と②の支持物に通じる通路の状況
④切断のおそれのある箇所の有無とその位置や状態などをあらかじめ調査して記録。
その結果を踏まえて以下のような項目が示された作業計画を作成し、関係労働者に周知させなければなりません。

作業計画

①作業の方法と順序
②作業に従事する労働者の人数
③メインロープとライフラインを緊結するためのそれぞれの支持物の位置
④使用するメインロープ等の種類と強度
⑤使用するメインロープとライフラインの長さ
⑥切断のおそれのある箇所と切断防止措置
⑦メインロープとライフラインを支持物に緊結する作業に従事する労働者の墜落による危険を防止する措置
⑧物体の落下による労働者の危険を防止するための措置
⑨労働災害が発生した場合の応急の措置

このほかにも作業指揮者、安全帯・保護帽、作業開始前の点検などについて新たな規定が加えられています。それらの詳しい内容については厚生労働省のホームページで確認してください。命にかかわる墜落事故から身を守るために、ロープ高所作業特別教育を受講し、正しい知識を習得して作業を行いましょう。

※詳しくは「ロープ高所作業 改正 厚生労働省」で検索してみてください。

ロープ高所作業特別教育について

キャタピラー教習所では、ロープ高所作業特別教育を開催しています。

[ロープ高所作業特別教育の概要]

ロープ高所作業特別教育の概要

●新安衛則公布後施行日より前にロープ高所作業についての特別教育の全部または一部の科目を受講した場合は、受講した科目を省略することができます。

この特別教育では、ロープ高所作業に関する知識やメインロープ等の正しい取扱い方法、墜落による労働災害の防止のための措置など、ロープ高所作業者として知っておかなければならないことを学科と実技を通して習得することができます。ぜひ、お近くのキャタピラー教習所までお問い合わせください。

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