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建機カタログの用語

2017年9月 8日

ご存知ですか?建機カタログの用語
【ミニ油圧ショベル/油圧ショベル 機能編】

油圧ショベルやミニ油圧ショベルの購入やレンタルを検討しているけれど、カタログを見てもどの機種を選べばいいのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。

カタログにはいろいろな機能や使いやすさについての情報が記載されていますが、専門用語が多く分かりにくいことも。

油圧ショベルやミニ油圧ショベルを選ぶうえで、知っておきたい機能・用語をご紹介します。「油圧ショベルの基本」「後悔しない建機選び」「建機カタログの用語【基本編】」などと併せて、参考にしてください。

安全に関する機能

・油圧ロック(セーフティーロック)

安全のため油圧作動部分を確実にロックする機構のことです。作業中でも、オペレータがレバーやスイッチを入れることで、作業機を確実にロックし、誤動作を防止します。

・ROPS(ロップス)/FOPS(フォップス)キャブ

ROPSの写真、ロップス

ISO(国際標準化機構)およびSAE(米国自動車技術会)で定められた規格で、ROPS(Rollover Protective Structure)は「転倒時運転者保護構造」のことです。
FOPS(Falling Object Protective Structure)は「落下物保護構造」のことで、労働安全衛生法によるヘッドガードの機能も満たしています。この規格で作られたキャブが、オペレータの安全を守ります。

・ミラー&リアビューカメラ

安全作業に欠かせないミラー。キャブミラーや球面リアビューミラーなどで、後方視界をワイドにカバーします。また機種によってはリアビューカメラとモニターが搭載されており、後退時の視界を確保します。

・キャブ干渉防止機能

キャブ干渉防止機能

ブーム・アームに内蔵されたセンサがバケットの位置を把握し、バケットがキャブや本体に近づくと、接触しないように制御します。この機能により干渉を必要以上に気にすることなく、効率よく作業ができます。

・エンジンニュートラルスタート

セーフティーレバー(油圧ロック)がONの状態にある、旋回部分がロックされているなど、作業機が「動かない状態」でないとエンジンが始動できない仕組みが「エンジンニュートラルスタート」です。始動時の急発進など、事故のない安全作業を支援します。

環境性能

・DPFシステム

DPFはディーゼル・パーティキュレート・フィルタ(diesel particulate filter)の略で、排気に含まれる軽油のすすを取り除く効果があります。

すすが出やすい気圧の低い高地や、低温など厳しい条件下でも排出ガス浄化が可能です。ディーゼル酸化触媒だけでは燃やしきるのが難しいすすを、DPFと組み合わせることで取り除くことができます。

・低騒音(超低騒音)

国土交通省では、騒音対策として騒音が相当程度軽減された建設機械を低騒音型建設機械(超低騒音型建設機械)として指定しています。

現在の建設機械は環境対策が重視されており、稼働中の騒音レベルを低下し、周辺環境への影響を押さえることができます。

操作に関する機能

・オートデセル

デセルとはディセルレイター(decelerator)の略で、減速機のこと。
ブームやアームが動いておらず、エンジンの力を必要としていない状態が一定時間続くと、自動的にエンジン回転数を下げるのがオートデセル機能です。これにより、アイドリング時の燃料消費向上し、騒音・排気ガスが低減されます。

・エコノミーモード

通常作業モードからエンジン回転抑制する選択できるのがエコノミーモードです。オペレータは普段通りに操作するだけで低燃費作業を可能にします。

・共用配管

油圧駆動のアタッチメントのなかでも、破砕機のように油圧を往復させるアタッチメントに必要となるのが「共用配管(複動配管)」です。

ブレーカーを駆動するときのように、油圧を一方向にだけかけるための配管は「ブレーカー(単動)配管」と呼ばれています。

ちなみにミニ油圧ショベルなどに装備されている「PTOポート」は、アタッチメント駆動用ではなく、ハンドブレーカーなどに使える油圧の取り出し口です。狭い場所での解体作業などでは、外部動力源として使えるPTOポートも便利です。

・コンティニアスフロー機能

コンティニアスフロー(continuous flow)とは、連続して一方向に油圧を駆動させること(ブレーカーの連続打撃作業など)を指します。

油圧のアタッチメントを連続駆動させ続ける場合、オペレータがペダルを踏み続けなくても手元のスイッチをONにすれば、自動で油圧を駆動させ続けてくれる機能です。

オペレータの負担を軽減します。アタッチメントの流量を設定できる「流量設定機能」も、作業効率向上に役立ちます。

・クイックチェンジャ

油圧ショベルのレバーの操作パターンを切り替える機能です。

現在はJISの操作パターンが「標準」とされていますが、以前はメーカごとに異なっていました。クイックチェンジャなら操作パターンを簡単に切り替えることができます。

切り替え可能な操作パターンの種類によって、2way、4wayがあります。

・HST(Hydro Static Transmission)/ 2速走行切り替え

シフトチェンジが不要で、アクセル操作だけで加速や減速のコントロールが自在にできる電子制御フルオートマチックパワーシフトです。

狭い現場での作業、ホッパやダンプへの接近時など微妙な速度コントロールが容易で、ブレーキ回数も減り、坂道発進も安全。

作業条件によりスイッチひとつでハイ/ローの2速切り替えができる機種もあります。

・オフセットブーム

オフセットブーム

オフセットとは、油圧ショベルのアームの根本部分(ブーム)を左右にスライドさせる=オフセットさせる機能のこと。
機体を正面に向けたままブームを左右履帯の外側にオフセットすることで、塀際や土手の際などの掘削作業がやりやすくなります。オフセットするためには、ペダルで操作する場合と、レバーに付いたスイッチを指で操作する場合があります。

・ショートカットキー(ミニ油圧ショベルのみ)

カラーモニタの一連の操作を電話機の短縮ダイヤルのように任意のボタンに記憶させるのがショートカットキーです。使用頻度の高い画面を表示させるまでの操作を記憶させて効率的に使用することができます。

運転席まわり

・運転席&シートベルト

最近の建設機械のシートは、サスペンションや位置調整機能が付いており、長時間作業の疲労を軽減します。

また、シートベルトは調整不要で操作の邪魔にならない巻き込み式です。シートベルト未装着時に警告を表示する機能もあります(オプション)。

・外気導入式加圧エアコン

大容量の外気導入式加圧エアコンを採用したプレッシャライザ(加圧密閉式)キャブは、外気からのほこりの侵入を防いで内部をクリーンに保ち、四季を通じてオペレータに快適な作業空間を提供します。ホコリが多い作業環境では内気循環を選択することも可能です。

盗難防止

・自動ロック機能&盗難防止キー

数字によるパスワードを入力しないとエンジンを始動できないのが自動ロック機能です。

エンジンをオフにした後に一定時間経過すると、パスワードが要求されるため、ロックのし忘れを防ぐことができます。

また、より強固な盗難防止装置として、ID番号が記録されているICチップ内蔵の専用キーを使うことで車両への不正なアクセスを防止するマシンセキュリティシステム(オプション)もあります。

用語の意味を知って、用途に合った機種選びを!

カタログに書かれている用語は見慣れないという人も多いかもしれませんが、その意味が具体的に分かれば、機種の選定もやりやすくなるのではないでしょうか。
特に油圧ショベルはカタログに記載されている用語が多いので、「油圧ショベルの基本」「後悔しない建機選び」「建機カタログの用語【基本編】」などと併せてぜひ機種選びの際の参考にしてください。

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