お問い合わせ

「なでしこエンジニアの会」へi-Construction実技研修会を実施

2018年1月24日

ICTの活用で建設業界への女性躍進サポート

研修風景

研修風景

  

 Catブランドの建設機械・ディーゼルエンジン等の販売・サービスを手掛ける日本キャタピラー合同会社 (本社:東京都中野区、代表職務執行者 社長・CEO:矢口教)は2018年1月19日(金)、 「なでしこエンジニアの会」に協力し、建設業界における女性の躍進をICTを活用して推進するための i-Construction実技研修会を実施しました。会場は、ICT建機や施工を見て・乗って・学べる 日本キャタピラー総合研修施設「D-Tech Center」で、12社13名が参加しました。

開催の背景

 「なでしこエンジニアの会」(※1)は、日本キャタピラーもメンバーの一員で、 ICT(情報化)施工に関わる企業に勤める女性がメンバーとなり建設業界におけるICT施工推進や 女性の活躍推進について定期的に意見交換や勉強会を行っていますが、 様々な業種のメンバーが集まっていることもあり、各メンバーのICTに関する知識量に差があるのが現状です。 また、メンバーから、座学だけでなく現場に触れる体験を行いたいという声を受けたことを契機に、 i-Construction(以下、i-Con)の一連の流れを学び、メンバーの知識の底上げを行うための実技研修会を開催する運びとなりました。

研修会の内容

午前中はまず基礎知識として、i-Conの概要とGNSS(全球測位衛星システム)を使った測量について、 座学で講義を受講しました。午後からは、i-Conの一連の流れを再現した「デモンストレーション見学」の後、 ICT建機の実機を使用し、「トータルステーション(電子式の測距・測角器械)を使用した測量」と 「その測量データの建機への取り込み」、「3Dマシンコントロールの油圧ショベルを使っての施工」までの 一連の作業を体験しました。その他、普段オフィスにいると忘れがちな「現場の安全」について、 建機を用いて体感する安全講習会も行いました。

研修会の様子

i-Conに関する基礎知識

i-Conに関する基礎知識

熟練工不足のサポートや施工の効率化につながるi-Conについて、2D(2次元)と3D(3次元)による施工など、 基礎的な知識から再確認を行いました。また、UAV(ドローン)等を使った測量やGNSS(全球測位衛星システム)を 使用した測量など、状況に応じた測量についても学びました。

デモンストレーション見学

【デモンストレーション見学】

ドローンやICT建機を使用し、i-Conの一連の流れのデモンストレーションを実施しました。 企画およびナレーターは、D-Tech Center所属の中 理絵 (なでしこメンバー)が担当しました。
*使用機種:油圧ショベル(320)、ブルドーザ(D6)、振動ローラ(CS56B)、モータグレーダ(12M)

i-Con実技研修

i-Con実技研修1

i-Con実技研修2

i-Con実技研修3

 

トータルステーションによる測量について、実機を用いて手順を学び、そのデータをもとにパソコン上でデータを作成・設計し、 油圧ショベルのマシンコントロール機能を使用して施工を行いました。マシンコントロール機能を使えば、 経験の少ないオペレーターでも正確な施工を行うことができるため、受講者からは「私にもできるかもしれない」 などの意見が多数出ていました。
*マシンコントロール機能とは:アームを操作すると、建機自身が自動で調整を行い、 設計図通りの施工が可能になる機能


安全講習

安全講習1

安全講習2

安全講習3

 

「現場における安全」をテーマに、現場での事故事例を学んだ後、日本で最も使用されている建機である油圧ショベルの実機を使用した 安全講習を行いました。油圧ショベルの運転席に座り、バックモニターと目視を使って死角を確認。 男性に比べて小柄な女性は、バケットにもすっぽり隠れて見えなくなってしまい事故に繋がりかねないということも、 自ら体感しました。企画・講師は販売促進部の坂本 ひかり(なでしこメンバー)が行い、参加者からは、 「改めて安全に関する意識が高まった」という感想をいただきました。

参加者からの声

 参加者からは、「ICT技術の活用で働き方改革につなげていきたい」「情報化施工についてもっと知りたくなった」「マシンコントロールなどの機能を使用すれば自分にも簡単にできそう」などの意見がありました。

最後に

 日本キャタピラーでは、女性限定の小型車両系建設機械の運転特別教育(3t未満の建機の運転免許取得)などを 実施したことがあるものの、i-Con研修会を女性限定で行うことは今回が初となります。 男性社会で女性の活躍が課題となっている建設業界では、女性が研修会や勉強会に参加する場合、 女性が非常に少ない環境で受講することになります。今回のような女性のための研修会を行うことで、 受講者が自由に質問ができる環境ができたり、受講者同士のネットワークづくりにも貢献しています。
 今後も、建設業だけでなく女性がさまざまな職場で活躍するためのサポートや、ICT・i-Conを活用した熟練工不足の解消などを積極的に行っていきます。

研修会概要

日  程:2018年1月19日(金) 10:30~16:30
会  場:日本キャタピラー D-Tech Center(〒368-8765 埼玉県秩父市山田2848)
参加者数:13名(12社)
タイムスケジュール:
 10:30 ~ 10:50 D-Tech Center紹介
 10:50 ~ 12:00 座学研修(i-Conの概要、GNSS測量)
 13:00 ~ 13:30 デモンストレーション見学( i-Conの一連のプロセス)
 13:40 ~ 14:40 i-Con実技研修(GNSS測量、設計データ作成等)
 14:50 ~ 15:50 安全講習(建設現場における危険)
 15:50 ~ 16:20 オフハイウェイトラック試乗



※1 「なでしこエンジニアの会」とは

ICT(情報化)施工に関わる道路会社、レンタル会社、測器メーカー、建機メーカー・ディーラー等に勤める女性の情報交換の場とし​て、一般社団法人 日本道路建設業協会が2012年1月に発足したワーキンググループで、情報化施工技術や道路建設技術に関する勉強会の実施、業界への女性活躍推進を行っています。日本キャタピラーもメンバーの一員として参加しています。

※2 日本キャタピラー「D-Tech Center」とは

 1979年10月に、「見て・乗って・学べる」総合研修施設として埼玉県秩父市にオープンし、Cat製品の活用について、お客様へのデモンストレーションや社内外の教育を行う施設として運営を行っています。2017年9月には、i-ConやICT建機に関するニーズの高まりにともない、これまでの役割に加え、ICTエキスパートの育成およびサポート強化を行っていくため、「D-Tech Center」に名称変更するとともに体制を強化しました。
URL: /cvc/